労務相談シリーズ① 有給休暇の買取りってできるの?

あまり更新していなかったブログですが、

日々ご相談を受けるなかでよく聞かれる質問を更新することで、

社長やひとりで労務担当をされている方の役に少しでも立てばいいな~と思い、更新していこうと思います!

最初のテーマは「有給休暇って買取りできるの?」です。

年度末で退職の方も多く、退職時に社員の方から「有給休暇残っているんだけど、買い取ってもらえないの?」

と言われることがあるかもしれませんね。

こんな時、会社はどう対応すればいいのでしょうか?

結論からお伝えすると

「退職時に有給休暇を買い取ること自体は違法ではないので、

会社が有給分の賃金を支払ってもよいと考えるのであれば、支払っても問題はない」です。

もちろん会社に買い取る義務がある訳ではなく、有給の買取り自体を拒否することはできます。

有給休暇の買取に関しては、

有給休暇の買い上げを予約し、これに基づいて法第39条(注:労働基準法上で有給休暇の定めがある条文)

の規定により請求しうる年次有給休暇の日数を減じないし請求された日を与えないことは、法第39条の違反である。

(昭和30.11.30 基収第4718号)

という行政解釈の通達が出ています。

簡単に言うと、「有給休暇を買い取るから、有給休暇を使うなとは言えないよ」と言ったイメージです。

退職時に使いきれなかった有給休暇を買い取ること、

これ自体は上記の通達にも反せず、法的には問題なく行うことができるのです。

ただし、こういった取扱いをする場合は注意が必要です。

退職した人が「会社に有給休暇を買い取ってもらった」などと周りに言いふらすと、どうでしょう?

他の人も「私も2年経って消えてしまう有給休暇があるから、買い取って欲しい。」などと言い出すかもしれませんね。

「後から買い取ってもらえるのであれば、有給休暇は取らなくてもいい。」と思う人もいるかもしれません。

有給休暇は、本来、労働者の方が心身をリフレッシュして、またお仕事を頑張ろうと思ってもらうためにあるものですね。

例に挙げたようなケース(退職時に残っている有給休暇や時効によって消滅した有給休暇を買い取る)自体は、

法としては問題なく行えるものの、私個人としては、こういった取扱いをするのではなく、

「有給休暇を取りやすい雰囲気や仕組みを作ること」、そして、

働きやすい環境のなかで、従業員に生き生きと、長く働いてもらうことが大切だと考えます。

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